第四十七章の2 おビンタ考⑤
★ビンタ文学紹介
続・白い火花(豚吉作)
作者(夏木青嵐)には無断ですが、続編を書いてみました(文体も似せて、少し古めにしてあります)
前回の最後に申しましたが、僕は、この「白い火花」の「男」は、夏木作品には珍しいマゾ男ではないかと見ています
下着フェチでマゾ
そんな男が、警察に突き出される憂いなく、甘美な犯罪に手を染める大チャンス、これを見逃すはずは無いと思います
うまく盗み果(おお)せれば、美女の下着が手に入り、失敗した際には、信子と恵美子2人のW美女のW折檻が味わえる、つまり2度美味しい
これは・・
下着フェチでない※僕でもやりかねません
そんな愚かな男の前回の折檻の後日談です
続・白い火花 前編
その事件は、信子が男を折檻してからわずか二週間後に起こった。
信子のもとに、未だ二十歳の女中(絵梨)から、庭に干していた洗濯物から信子の下着を部色していた男を取り押さえた、との報告があった。
絵梨は、合気道と柔道を嗜んでいて(有段者)、見た目の愛苦しさとの意外さに、採用の際に驚かされたことを、信子は思い出した
が、取り押さえ、他の女中を呼びに行った際に、男には逃げられてしまった、とのことであった
警察に通報しなかったのは、その男が、あの「男」で、彼が信子に丹念に残酷に折檻されている様子を絵梨は間近で見ており、面識があったからこそ、通報より先に、女主人である信子への報告となったようだ
「警察には言わなくて良いわ」先ず信子はそう言って、絵梨を労い、「ケガはない?」と訊ねた。男は、相手が華奢な女だと見て侮り、最初は突飛ばそうとしたりしたのだそうだ。「大丈夫です。あんなヘナチョコ。本気出してたら瞬殺でした」そう言って、にっこり笑う絵梨。
あの時のあいつだ、と、気付いたため、少し手加減したのだそうだ。
信子は絵梨の深謀遠慮を誉め、笑みを浮かべた。
そして、徐に恵美子に電話をしたのだった。
電話を通してだが、恵美子の逆上ぶりは手に取るようにわかった。
自分が折檻する、という恵美子を説得し、すぐにウチに寄越すことを納得させるのに少し時間を要した。
「それが筋、というものよ。迷惑を掛けられたのはあたくし、ですもの」
そう言われて、大人しく引き下がってくれた恵美子だったが・・。
あに図らんや、夕方になって、ゴツイ書生に連れて来られた男の顔は、既にかなり腫れ上がっていた。
(もう・・)信子は呆れると共に、恵美子らしい、と笑いが浮かんだ。男は既に恵美子の往復びんたを、かなりの数頂戴しているようだ。良く見ると、頬には涙の跡も垣間見える。
「どうしましょう」との書生の問い合わせに、信子は、男を廊下にある大きな柱に縛り付けるよう頼み、(書生には)今日は帰ってもらうよう言った。
「大丈夫、ウチは女ばかりの所帯だけど、腕に覚えのある娘もいるし、こんなの目じゃないから」そう言って、書生に笑いかける信子だった
その夜、寝室に絵梨が呼ばれた。
絵梨が寝室に入ると、女主人は豪奢な寝間着に着替え、寝間に入る直前であった。女の絵梨の目から見ても、信子の美しさやその上品なお色気には、ぞくりと来るものがあった。
用件は勿論、縛られた男のことであった。
「絵梨ちゃん、あなた折檻出来る?」信子の意外な問いに、一瞬戸惑った絵梨だったが、すぐ
「は、はい。出来ます」
「あいつ、あなたに掴み掛ってきたんでしょ?」
「そうなんです。すぐに投げ飛ばしてやりましたけれど」
こうやって投げた、と、腕を振って見せる若い女中の可憐さに、信子は微笑みを浮かべ
「明日、朝から、庭で締め上げてやってよ」と言った。
「投げるんですか?」
「ううん、関節技ってあるんでしょ?」
「はい」絵梨もまた残酷な笑みを浮かべた。
「痛いんでしょ?」
「そりゃもう。目が飛び出るくらい痛いです」
「じゃ、それでお願い。女をバカにした気持ち悪い変態男に、目に物を見せてやって頂戴」
「はい。腕に縒り掛けて思い切り痛い奴、してやります」
「幸い、ウチの庭でなら、少々男が泣こうが騒ごうが、近所には聞こえないわ」信子の屋敷は広大で、中庭の池には鯉が泳いでいた。
「思い切りいたぶってやって」「はい」
「器具を使っても良いわ」そして念のため
「怪我させても構わないけれど、殺すのだけはダメよ」そう言ってから思わず吹き出し、絵梨と笑い合う信子。
「あんなクズのような男、あなたみたいな可愛い娘に痛めつけられるのも良い薬よ」
「本人のためだから、手を抜かず、思いっ切りやっちゃって」
「はい。思い知らせてやります」
「頼むわね」笑いながらそう言った後、信子は、「あっ」思い出したように呟いて
「お昼にあたくしが最後の仕上げに殴るから。その分は残しといてね」
「はい。かしこまりました」こちらも満面笑顔の絵梨。
「他の女中さん使っても構わないわよ」
「ありがとうございます」そう言って、にっこり笑う絵梨であった。
翌朝、信子や屋敷住いの女中たちは、男の情けない、けたたましい泣き声の入り混じった悲鳴に驚かされることになる。
悲鳴と言うより、それは絶叫に近かった。
「ぐひぃい」「げひぃぃぃ」
良くそんな声が出るものだと感心するほど、男は哀れな声で泣き、女たちの耳を愉しませた。
そして、「許して、許してぇ」男の哀訴と涙声に挟まって時折、「まだまだ」とか、「それでも男? 情けないわね~」、など若い女性の笑いを含む、嘲りの声が聞こえて来た。
それに伴い、何人かの女性の笑い声が聞こえ、数人がかりで男を可愛がっている様子が偲ばれた。
そしてその後すぐ続く男の絶叫。
「ぎびいいい」「ひぃぃぃ」
だがこの日の、残酷で美しい女たちの折檻は、始まったばかりであった。
続く
※註
僕は呉緒様に何枚かの下着をご拝受頂いています
ですが、僕が興味ある下着は、呉緒様のものだけ、です
僕にとっては、呉緒様の身に付けた下着、だかろこそ値打ちがあります
それ以外には価値が見い出せません
3は、こちら
4は、こちら
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