素敵な呉緒様
☆運命という目眩く糸 その1
呉緒様の奴隷にして頂いて16年目を迎えました
呉緒様と僕の出逢いは、奇跡と偶然の連続でした
ちょっと考えられないようなことが、幾つか起こりました
50章に到達したのと16年目を記念して、そんな話を書いてみます
いがらしみきおの漫画に、「人と人とがぶつかる不思議」って4コマがあります(点と線だけで描かれ、あちこちに寄り道する2つの点が最後には何故かぶつかる、という印象的な漫画です)
人と人との出逢いは、幾つもの不思議に満ちています
そしてそれが終わってみれば
運命という必然なのかと思わされたりします
呉緒様と知り合う前の僕は、マゾの上にヲタクでした
その当時は、関西在住でしたが
相変わらずSMクラブに足繁く通い、マゾ系の雑誌はほとんど購入していました
そのうちの一冊に「SMシークレット」という雑誌がありました
この雑誌の特色は、各所のSMクラブの女王様たちをカラーグラビアやピンナップで紹介していたことです
要するに、グラドルみたいな扱いで女王様を紹介してしていました
そのうちの一枚の写真に、僕は惹きつけられました
Mさんというその女王様は、大阪のYという老舗のSMクラブ所属でした
そこには何度か行ったことがありましたので
僕は早速Yに行き、Mさんを指名しました
Mさんは、僕より5歳年下で
写真で見た以上に素敵で活発な女性でした
たまたまですが
お話しているうちに、共通の話題が見つかり、僕たちはすっかり親しくなりました
翌週には2度目の訪問
その際には、Mさんの仕事が終わった後、梅田でご飯行く約束まで取り付けました
SMクラブの女王様とお店の外で逢うのも、デートするのも初めてのことでした
ただしMさんは別にS性というわけではなく、割の良いバイトを探していて、たまたまYに勤め始めた、ということ、でした
彼女とのプレイは、ボクシンググローブをしてのサンドバッグプレイ、浣腸、ペニバン等々、僕の求めに応じて、彼女は何でもしてくれました(機会があれば、Mさんとのプレイは後述します)
おビンタも腐るほど頂きましたが、特別に痛かった記憶はありません
良い意味でも悪い意味でも、普通の女性でした
彼女自身も、普段は女王様として付き合うより、普通の女性として僕に接しました
僕は勿論、彼女に夢中になっていましたので
クラブでのプレイの際は、生まれて初めて、「好きな女性に虐められる」という
得難い経験、初体験をしました
が、クラブの外では普通の男女でした
当時は、ケータイは無く、彼女への連絡は、専らポケベルでした。時代ですね〜
僕は車をYの近くに止めて、彼女の仕事終わりを待ち、合流すると車で彼女をマンションまで送りました
そんな友達以上恋人未満の関係は、残念ながら長続きはしませんでした
やがてポケベルを鳴らしても、連絡が来なくなり、お別れとなりました
そして、たまたま当時勤めていた会社で、東京勤務の辞令が出ました
Mさんを未練がましく追いかけるより、これを良い機会と捉え、すっぱり忘れようと決め、東京での生活を始めました
東京でも早速、SMクラブ通いをしました
が、これがさっぱり楽しくありません
それはそうです。「好きな女性に虐められる」という凄い経験をしてしまった僕にとって
どんな美人女王様とのプレイも、物足りなく思えてしまったのです
かと言って、今からまた、女王様と付き合うなんて奇跡がそうそう起こるはずもありません
僕は、色んな意味で諦めました
その当時、参加していたエロ小説創作中心の場、当時はパソコン通信、今で言うネットの掲示板に僕は
「3次元を卒業します。これからは2次元に生きて行きます」と、3次元卒業宣言をしました
それのキッカケになれば、と、僕はマゾ専門誌にマゾ小説を投稿しました
それまでも雑文程度は投稿して、幾つかは採用されて掲載されましたが
本格的な小説の投稿は初めてでした
ここまででも奇跡が幾つか起こっています
先ず、Mさんと出逢い、お付き合いすること
別れたタイミングで東京勤務になったこと
そして
次の奇跡は
僕の小説が、そのマゾ専門誌に掲載されたこと、でした
掲載された専門誌が発売になってすぐ、東京で既に何度も逢っていたIさんという、先程の創作サイトで知り合った方から連絡があり
「◯◯という小説は、あなたが書いたモノでしょ」と言われ、驚かされます
ペンネームも別人、文体も意識的に変えていたのですが
僕と何度か逢っていたIさんは、僕の作品だとひと目で見破り、僕に連絡をくれたのでした
そして
「インターネットってご存じですか?」と訊かれました
当時、インターネットは黎明期でした
【続く】