☆ビンタ文学紹介〜夏木青嵐その1
今回も呉緒様とは関係無く、僕の個人的な思い入れの強いビンタ文学(豚吉命名)のご紹介です
満を持して、おビンタ作家・夏木青嵐の登場です
夏木青嵐は昭和48年頃、「風俗奇譚」でデビュー、廃刊に伴い「SMファンタジア」で、連載再開。こちらの廃刊に伴い、筆を折っています
(SM小説は・・と、本人が断っていますが)
作風は一貫して
「下賤な男が、美しい貴婦人の下着を盗み捕まり、罰として、その貴婦人におビンタを中心に打擲される」がテーマになっています
鞭打ちやおげんこつ、ハイヒールビンタや
竹刀でのリンチにケツバット、柔道技での投げや絞め落としなど、責めの種類は、豪華絢爛です💕
美しく気品のある女性たちに、一方的に打擲され、残酷な責め苦に泣き喚く哀れな男たちの描写が素晴らしいです
「女権国家の男囚たち」シリーズ等々、名作が沢山ありますが
今回は、仕置きがビンタのみの
「我が妻は美人なれど」をご紹介します
清彦は、Y大学講師、ミスY市に選ばれたこともある妖艶な美女、陽子と結婚して2年
が、実はこれ偽装結婚、今(でもないか)で言うところの仮面夫婦で
彼女には間男がいたのです
その間男は、清彦には一切構わず、二人の新居に押しかけて来て、泊まって行ったりしています
彼は、陽子に指一本触れることが出来ないだけでなく、召使同様に仕える羽目になっています(夏木作品の他の男性と同様、彼は別にマゾではありません)
元来学者肌で気弱な清彦は、気の強い陽子の言いなりになって、頻繁に殴られたりもしています
今日も、男が泊りがけでやって来て、甘い睦み言が交わされた後、陽子に呼ばれ、彼女の前に座りますが、突然殴られます
※※※
膝のわきにおいてあった週刊誌で、いきなり物も言わずばしっと横面をやられたのである。眼鏡がすっとんで、彼が大きくあおむいた。
ばしっ、ばしっ、ばしっ、ばしっ。
続けて、力いっぱい4、5回殴られた
(中略)
以前に一度、かしこまりかたがだらしないという理由で、いきなり陽子に痛烈なびんたをもらった経験があったので、今度もそれかと思って、彼は慌てて両膝を固め、正座し直してみた。
だがダメだった。
週刊誌が使えなくなったので、今度は白い平手でぴっぱたかれた。
ぴしゃっ、ぴしゃっ。
目から火が出そうな痛烈なびんただった。
理由がわからずに、こうしてやたらとひっぱたかれるのは、辛く情けないものだった。で、彼は思わず鼻を啜ってしまった。両頬は火のように熱く燃え上がって、うずいていた。
「泣くんじゃないっ」
陽子に叱咤されて、
「はいっ」
彼の声に涙がにじんだ
(中略)
「自分で考えるのよ。おまえ、自分でした不始末を自分で考えつかないはずはないでしょう」
「は、はいっ」
「わからないのっ」
「わかりません」
彼は赤く晴れ上がった両頬を涙で光らせて言った。
その顔を陽子が、今度は美しいがきつい目でじっと睨んだ。
それは女が美しいために、怒った顔は凄艶そのものだった。
彼は震えた。
「奥様、許して」
「ダメよっ。わからなけりゃ、わかるようにしてあげるわ。おびんたがもっと欲しいということなのね」
「わわ。許して」
陽子の白い手が電光のように宙を走って、また彼の頬が高い音をたてて鳴った。
ひっぱたかれるたびに彼の顔は、不随意に忙しく右向け左向けを繰り返した。
(中略)
「まだわからないのっ」
往復15、6回もびんたをちょうだいしたあと、また彼女の厳しい叱咤を受けた。(中略)
彼の答えはなく、嗚咽だけが聞こえた。
「ばかっ、泣くんじゃないわよっ」
※※※※
叱られた原因は、ただの連絡ミスだったのですが、とにかく些細なことで、美人の我が妻に殴られる哀れな男の話になっています
個人的には、少し設定を変えた「我が妻は美人でピチピチギャルなれど・・」なんて剽窃文を作っていますので
チャンスがあれば
いずれそちらもご紹介します😊